また一つ、巨星が消えた…
画像はシャネル公式HPよりお借りしました
最近、巨匠と呼ばれる方の訃報が多い気がしますが、シャネルのクリエイティブディレクターだったカール・ラガーフェルドさん(以下、カール氏)が亡くなったことも一つの時代の終わりなのかな…と思わずにいられませんでした。
ブログで何度か一生ものの話を書きましたが、その中で登場したシャネルのチェーンバッグ、元はガブリエル・シャネル女史(以下シャネル氏)ご本人が生み出したものですが、今メジャーになったCCロゴを使ったデザインは、カール氏の手によるものだと思います(私の推測)。
今はオリジナル復刻版のマトラッセバッグも販売されていますが、ロゴが入っているデザインのものがいかにもシャネル!という感じではないでしょうか。
シャネル氏は伝説の、唯一無二のデザイナーであることに間違いはないのですが、カール氏がいなかったらここまでシャネルが愛されていないような気がするのです。
さて、シャネルほどにティーンから成熟した女性までを魅了するブランドって、そうはないと思います。
私も大学生になってからですが、初めてシャネルのリップを持った時の何とも言えない高揚感…小さな魔法をかけてもらったような気がしたものです。
「シャネルブランドのことをわかっているようなふりをして」と、お叱りを受けるかもしれません。
はい、特別わかっているわけではないです。
たまに見かけるコレクションでの写真や、雑誌に掲載されているアイテムを見るぐらいです。
自分とはかけ離れたところにあるプレステージなファッションブランドであることは間違いありません。
スタイルの継続はまさに「不易流行」そのもの
そもそもシャネル氏本人は、当時の体制への反抗をベースに新しい価値観を打ち出した異端児で、素直に大勢の人に受け入れられていたのかは?だったのでしょうね。
それが普遍的な美しさ=スタイルとして成立したから唯一無二なデザイナーだったんでしょうね。
そんなシャネル氏が亡くなったのは70年代。
そして彼女の死を境に、シャネルブランドが一旦光を失っていたとは知りませんでした。
その瀕死のシャネルブランドを再生させて、さらに昇華させたのがカール氏だったのですね。
私はバブル時期のシャネルファッションを見た世代なので、シャネルのあの独特のデザインには当時は驚きました(いかにも、でしょう?)。
今でも、ちょっと不良ぶっていても、芯があって(エレガント)ブレない。
これって、不易流行が具現化されている事象ではないでしょうか。
スタイルは不変、でもその時代の先を読み、新しいスタイルを生み出していき、また新しいループを作り出している…。
カール氏は生前こう話していたそうです。
「私の仕事は彼女がしたことをするのではなく、彼女がしたであろうことをすることです。シャネルの良いところは、多くのことに適応できるということです。」(シャネル公式HPから引用)
でも、ちゃんとカール氏の抜群のセンスがしっかりと入っていて、おそらくシャネル氏以上にシャネルブランドを不動の地位にしたのではないでしょうか。
俗物っぽいと思う自分もいますが、あのバッグを持ちたいと思って仕事頑張ってやってたな(ま、手段と目的がおかしなことにはなっているのですが)。
こんな風に自分を掻き立てるアイテムにはもう出合わないと思います。
それは所有欲の減退でもありますが、エピソードをも買いたくなるバッグって、これからの時代にはそう現れないような気がするのです。
一部を除き、実用的なモノへと世の中の流れは移っていって、キャッシュレス化が進むとバッグすら不要になるのではと思われます。
それでも、古典的なファッションアイテムとしてのバッグを愛でる人はまだまだいると思います(私もその一人です)。
カール氏が亡くなられて、ファッション界では何か一つ終わったように思います。
しかし、それは寂しいということではないのです。
スタイルはきっと新しいディレクターたちが引き継いでいくのだと思います。
そして私もブレない自分になりたいです(どんな?かは…まだ見えていませんが^_^;)。